絶対命令アプリ
「どうしよう……あたしのせいかもしれない」


あたしはそう言い、自分の口元に手を当てた。


このまま黙っている事だってできる。


けれど、それは自分の精神状態がゆるさなかった。


歩が飛び降りたのが自分のせいだなんて、自分1人で抱えていられることじゃなかった。


あたしは亜美と颯樹にツバサにやられたことを説明した。


「なにそれ、最低!」


亜美が顔をしかめ、非難の声を上げる。


「あたし、どうしてもツバサが許せなくて、歩に命令したの……ツバサを殺してって」


最後の方は情けなくなるくらい、声が小さくなってしまった。


しかし、2人にはしっかりと届いているはずだった。
< 336 / 367 >

この作品をシェア

pagetop