絶対命令アプリ
「人を1人殺すなんて簡単じゃない。貴美子はツバサが死んだ所を見たのか?」


颯樹に聞かれてあたしは左右に首を振った。


「重しを付けて、川に流したって聞いただけ」


「それならツバサは生きてんだ。すぐに誰かに助けられたのかもしれない。こんなにすぐに登校して来るくらいだから、きっと軽傷だったんだ」


あたしは颯樹の憶測を唖然としながら聞いていた。


「殺したはずのツバサが登校してきたから、歩は驚いて飛び降りたんだね」


亜美が冷静な口調でそう言った。


ツバサが生きていたことに安堵すると同時に、罪悪感が駆け巡る。


やっぱりあたしのせいで歩は飛び降りたんだ。


「言っておくけど、貴美子のせいじゃないからな」


颯樹の言葉にあたしは顔を上げた。


「なに言ってんの、どう考えてもあたしのせいじゃん……」
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