絶対命令アプリ
「実は俺たち考えたんだ」


拓が眼がしらを押さえつけてそう言った。


「考えたって、なにを?」


颯樹が訊ねる。


「もしも貴美子の言った事が本当なら、絶対にこのアプリを終わらせてやるって」


それはあたしも同じ気持ちだった。


だけど簡単ではないから、今もこうしてクラスがバラバラになってしまっているのだ。


「俺たちの計画を聞いてくれるか?」


拓に言われて、あたしは颯樹と亜美を見た。


2人とも頷く。


教室にはあたしたちしかいなかったけれど、誰も信用してくれない当初に比べれば仲間が増えたと言える。


「もちろん」


あたしはそう答えたのだった。
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