絶対命令アプリ
あの2人は完全に主従関係が出来上がっていた。


でも、そうならない方法は1つだけある。


王様と奴隷になったとしても、その権利を振り回さないことだ。


「そうだよ博、颯樹が大きな顔をしたら、いつでもあたしに言って? あたしが颯樹を凝懲らしめてあげるから」


そう言うと隣にいた颯樹がギョッとしたように顔をゆがめた。


それでも部屋の中から返答はない。


相当怯えているのかもしれない。


困り果ててその場に立ち尽くしていると《アカリ》と書かれたドアが開いた。


中から出て来たのは博のお母さんによく似た、綺麗な女性だった。
< 36 / 367 >

この作品をシェア

pagetop