絶対命令アプリ
大きく跳ねた心臓が一気にしぼんでいく。


「まさか、博の彼女!?」


「それも違います」


あたしは慌てて否定した。


あたしが誰の彼女でもないと理解したアカリさんは、途端に興味を失ったように表情をなくし、自分の部屋へと戻ろうとする。


「ちょっと待ってくださいよ!」


颯樹がそれを引き止めた。


「なによ?」


「博は一体どうしたんですか?」


「知らないわよ。あたしは女の子の声がしたから出て来ただけ」
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