絶対命令アプリ
自分の弟が家に帰ってきてから部屋に引きこもっていても、てんで興味がない様子だ。


「博と話がしたいんです。どうにかなりませんか?」


颯樹がそう言うと、アカリさんはボリボリと頭をかいて「ドアを蹴破れば?」と、言って来た。


強気な意見に唖然としてしまう。


「そんなことできませんよ」


ムスッとしてそう答える颯樹。


「仕方ないなぁもう」


ブツブツと文句を言いながら一旦自分の部屋へ戻り、何か手にして戻って来たアカリさん。


細くて綺麗な手に握られていたのは銀色の鍵だった。


「この鍵って……?」


颯樹が鍵を受け取りながら、アカリさんへそう聞いた。
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