絶対命令アプリ
部屋の中の電気は消され、薄暗い。


その部屋の隅で膝を抱えている博の姿があった。


颯樹の顔を見るなり、サッと青ざめて小刻みに震え始めている。


相当怯えているのが見た目だけで理解できた。


「博、一体このアプリはなんなんだよ」


颯樹が怯えている博へ向けてスマホを差し出し、そう聞いた。


博はブルブルと震えるように左右に首を振っただけだった。


「なんだよ、お前が俺に紹介してきたんだろ?」


眉根を寄せて颯樹が言うと、博が口を開いた。


「B組には、もう数人に広まってるんだ」


「このアプリがか?」
< 41 / 367 >

この作品をシェア

pagetop