絶対命令アプリ
☆☆☆

金縛りを振りほどき、あたしは自分のクラスへと駆け込んでいた。


今見た光景を誰かに相談しようかと、クラス内を見回す。


みんな昨日までと変わらない。


それぞれ教科書を広げていて、熱心に勉強をしている。


その風景を見ていると、急速に自分の中の焦りが冷えて行くのを感じた。


あたしも含めてA組の全員は他人の事なんて気にしている暇はないのだ。


仮にあれがイジメだったとしても、それがどうしたというのだろう。


2年生のことなんて、ましてや学力の低いと言われるD組のことなんて、関係ない。


そう思い、あたしはそのまま自分の席についたのだった。
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