絶対命令アプリ
教室では話にくいことなのかもしれない。


そう思い、あたしは席を立って南と2人で教室を出た。


そのまま近くの女子トイレへと入って行く。


さっきまで誰かがいたのかファンデーションの香りがしているが、今は生徒の姿はなかった。


「なにかあった?」


そう質問すると、南はおずおずとスマホを取り出してあたしに見せた。


その画面には『絶対命令アプリ』のダウンロードされたものが表示されていた。


あたしは驚いて南を見つめた。


「なんでこれを持ってるの?」


自分の声がトイレに響く。
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