絶対命令アプリ
クラスの中に大きな笑い声が響いた。


颯樹の声だ。


あたしは颯樹の方を確認しないまま、下唇を噛みしめた。


「こんどはお座り。お手。3回回ってワン」


次々と命令を下すカリンに美奈は抵抗できない。


次第に教室内にうすら寒い笑い声が広がっていた。


見ると、2人の事を遠巻きに見ていたクラスメートたちが口角を歪めて笑っているのだ。


誰も2人を止めない。


それ所か、主従関係を面白おかしく見ているようにしか見えなかった。


「やめなよ」


たまらず、カリンへ向けてそう声をかけていた。
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