絶対命令アプリ
「あんなアプリ、一体誰が作ったんだろうな」


雅弘が渋い顔でそう言い、あたしの隣に座った。


「そうだよね……」


人を自由にできるアプリなんて、普通の人間が開発できるとは思えない。


できたとしても相当な時間を要することだろう。


「ここの学校はみんな少なからずストレスを抱えてる」


雅弘の言葉にあたしは「え?」と、聞き返した。


「成績最下位のD組でさえ、一般的な学校の偏差値を上回ってるんだ。みんな勉強付けで、知らない間にストレスが溜まってても不思議じゃないだろ」


「あぁ、そういう意味か」


あたしは納得して頷いた。


この高校に入学するまでにも沢山勉強をしてきているから、そのストレスは多少なに抱えられているだろう。
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