219
僕らの運命

僕達機械にだって心はある。


モニターに映る灰色の映像から聞こえてくる

[我らの国を救え]

その命令は絶対で
僕ら機械は逆らえない。


[はっ我が王国に栄光あれ]

敬礼

僕らは兵士


生死を繰り返す僕ら
国を守るためなら死を選ぶ僕ら

モニターから聞こえる音声
存在するかどうかもわからない
その声に僕らは命令され(あそばれ)
僕らは動く
殺し壊され
また動く


生死を繰り返す僕ら
目を覚ませばまた命令
守れ、守れ、守れ
殺せ、殺せ、殺せ

ああ、仲間が死んでゆく
また失敗だ

記憶は残る

機械に僕らに心がないといったのは
誰?
誰?

僕らは心がある

痛み、喜び、悲しみ、そんなものも
感じることが出来る。

アップロードをすれば記憶は残る

できればアップロードして欲しくはない


アップロードは規則


ああ、また
目覚めてしまった。

何度も繰り返される
いつ終わるのかも分からない

ああ、僕はもう
僕らは

機械音が響く

[ああ、壊れてしまったね]

壊れた?
コワレタ?

コワレ...






ああ、僕はやっと終わるんだね
嬉しい...


[アップロードを]


やめて
もう終わらせて


[はい]



終わらせてくれ


記憶を消してくれ



[アップロード完了しました]



...跡形もなく消えてしまえば...


自爆システム始動

[皆離れろ!自爆システムが起動した!]




...ああ、やっと





おわる









大きな爆発音とともに
その機械は跡形もなく消え去った






[これはまだ]


[ナオセマスネ]




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