雪の果てに、催花雨は告ぐ。
あとがき
こんにちは、有栖川コウです。

この作品は、理由があって保健室登校をしている少女の苦悩をテーマに書かせていただきました。

実は私も、主人公の加瀬ゆかりほどではないですが、ひと月ほど保健室登校をしていた時があります。

その当時はただ自分が悲しくて、教室に行きたくないという思いで溢れていました。

母親は最初の頃は困ったように笑いかけてくれていましたが、日を重ねるうちに「どうして普通の子のようになってくれないのだ」と責めてきたことを、今でも昨日のことのように覚えています。

普通になりたい。でも、普通って何だろう。
私にとっては普通なのに、そんなことを言わないで。

そんなことをいつも思っていました。

でも実はそれは、逃げていることと同じなのです。

嫌なことから、辛いことから目を背けるために、ひと時でも忘れることができる場所へ逃げ込んでいたのです。

主人公のゆかりも同様に、唯一安心できる場所に逃げていた。私が保険医に宥められていたように、村井先生も不器用ながらに宥めていたのを感じ取ってくださっていたら嬉しいです。


長くなってしまいましたが、この作品を通して読者の皆様に伝えたかったことはたくさんあります。

ですがそれは言葉にせずに、皆様がどんな風に思ってくださったかを、いつか聞ける日を夢見ることにします。


最後に、この作品に出逢ってくださったあなたに深く感謝を申し上げます。

あなたの周りに、笑顔が溢れますように。


雪の果てに、催花雨は告ぐ。
春に、花よ咲けとせきたてる雨は、告げます。
『 好きだよ 』 と。
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