独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
プロローグ
「お前、俺と組まないか?」
目の前にいるアーベルは、たしかにフィリーネにそう言った。思いがけない申し出に、フィリーネは目を瞬かせる。
アーベルの花嫁選びに参加するという名目で訪れたアルドノア王国。けれど、フィリーネの目的は花嫁の座にはない。
フィリーネが、参加を決意したのは、祖父の代からの悲願を達成するため。アーベルの妃という地位に興味のないフィリーネは、彼にとっては好都合な相手であるのかもしれない。
「というわけで、お前、俺の『お気に入り』になれ。三か月でいい」
アーベルの申し出は、少しばかり勝手なものでもあった。だって、この国に集まっている令嬢達は皆、彼の妃に選ばれることを願っている。
結婚生活に夢を抱いていない彼の目的は、「国のためになる伴侶を選ぶこと」だ。そのために、よけいな感情は不要なのだという。
目の前にいるアーベルは、たしかにフィリーネにそう言った。思いがけない申し出に、フィリーネは目を瞬かせる。
アーベルの花嫁選びに参加するという名目で訪れたアルドノア王国。けれど、フィリーネの目的は花嫁の座にはない。
フィリーネが、参加を決意したのは、祖父の代からの悲願を達成するため。アーベルの妃という地位に興味のないフィリーネは、彼にとっては好都合な相手であるのかもしれない。
「というわけで、お前、俺の『お気に入り』になれ。三か月でいい」
アーベルの申し出は、少しばかり勝手なものでもあった。だって、この国に集まっている令嬢達は皆、彼の妃に選ばれることを願っている。
結婚生活に夢を抱いていない彼の目的は、「国のためになる伴侶を選ぶこと」だ。そのために、よけいな感情は不要なのだという。
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