独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「そのドレスに使われているレース、とても素敵ね。それはどこに行けば買えるのかご存知?」
「これは——三乙女のレースよ」
『三乙女のレース』という言葉に、令嬢達が勢いよく反応した。「これが」「噂の」「ユリスタロ王国」などという言葉がフィリーネにも聞こえてくる。
「ユリスタロ王国の特産品なの。今まで輸出していなかったけれど、このドレスを仕立ててくれた仕立屋のクラインが独占販売しているわ」
せっかくなので、フィリーネはここぞとばかりにクラインの宣伝もしておくことにする。世の中、持ちつ持たれつだ。彼の宣伝にも一役買っておかねば!
「そうなの? 素敵ねぇ……」
「うちの侍女が言っていた、三乙女のレースってそれかしら?」
まさか、こんなにも囲まれることがあるなんて思ってもいなかった。フィリーネが目を瞬かせると、向こう側から何やら威圧感のようなものを覚えた。
視線の持ち主はライラだった。フィリーネが気に入らないのはわかるけれど、そうやって遠くから見られても困ってしまう。
「ねえ、このレースを身に着けると恋がかなうって本当なの?」
「ええと、それは——そうではなくて、このレースを最初に作った乙女達の伝説があってね」
「これは——三乙女のレースよ」
『三乙女のレース』という言葉に、令嬢達が勢いよく反応した。「これが」「噂の」「ユリスタロ王国」などという言葉がフィリーネにも聞こえてくる。
「ユリスタロ王国の特産品なの。今まで輸出していなかったけれど、このドレスを仕立ててくれた仕立屋のクラインが独占販売しているわ」
せっかくなので、フィリーネはここぞとばかりにクラインの宣伝もしておくことにする。世の中、持ちつ持たれつだ。彼の宣伝にも一役買っておかねば!
「そうなの? 素敵ねぇ……」
「うちの侍女が言っていた、三乙女のレースってそれかしら?」
まさか、こんなにも囲まれることがあるなんて思ってもいなかった。フィリーネが目を瞬かせると、向こう側から何やら威圧感のようなものを覚えた。
視線の持ち主はライラだった。フィリーネが気に入らないのはわかるけれど、そうやって遠くから見られても困ってしまう。
「ねえ、このレースを身に着けると恋がかなうって本当なの?」
「ええと、それは——そうではなくて、このレースを最初に作った乙女達の伝説があってね」