二番目……
「唯先生~鬼ごっこしよう。」

「縄跳びするよねぇ~」

唯ちゃんはとっても人気者です。

いつもたくさんのお友達が『唯先生』って呼んでるの。

本当は、僕もまた遊びたいけど…大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんのいる

ゆき組さんのお部屋の先生になったからダメなんだ。

僕とみっちゃんは、くやしいけど……

もう少しで卒園する将太君のクラスだから我慢するんだぁ。

先生になるお勉強は、とっても大変みたい…

初めの1週間は『ゆき組』だけど……今は、『事務所組』なんだ。

悠のクラスで………悠が先生。

唯ちゃんは、バスに乗ったり紙に何か書いたり……お部屋の飾りを作ったり

卒園式の用意をしてて……全然一緒に遊ばなくなった。

あぁ~あ。つまんない!

悠も、居残りの部屋に来なくなったし。

僕が帰る時も………ずうっとお仕事してるんだぁ~

淋しいけど………

もうちょっとで年中組になるんだもん。

淋しいなんて、絶対言わない!



僕はまた寝てたみたいだ……………

おひさまの匂いが、僕を包んでる。

頭を撫でられて………気持ち良い。

でも、これは…………悠じゃない。だって……柔らかいもん。

気持ち良いから………もうちょっと甘えようかなぁ~

『ケンちゃん………ごめんね。淋しいよね……………。
森先生に来て欲しいよね?
私が、もっとしっかりしてたら………先生も来れるのにね。
本当に…………ごめんなさい。
明日は……もう少し先生らしくなるからね………』

夢の中で聞こえる……唯ちゃんの声は……悲しそうで。

さっきまで晴れてたのに……僕の腕や体に……

時々……雨が落ちていた。
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