記憶のかけら
目眩
次の信号を左に曲がれば
目的地のショッピングモール…だった。
だけど、
急に目の前が崩れた。
そう、
なんの前触れもなく、
目の前の景色が、
揺らいで、
歪んで、
割れて、
崩れた。
それから…
光が周囲を包み始めた。
私が生まれた時から今迄、
過去に出逢った人たちが、
周り360度に現れては消え、
縦に上下、
映画のエンドロールのように場面展開していく。
どの位時間がたったのか、
気がつくと周りは薄暗く、
草むらが広がる場所にいた。
目の前の光景が理解出来ず、
ぽかんと口を開けてたかも知れない。
「えっと…なに?…」
声がかすれてる。
「ここどこ?」
誰に聞いているのか、
もちろん答えなんかなくて…
エンジンはいつの間にか止まっていた。
ゆっくりシートベルトを外す。
運転席のドアを開けて、
恐る恐る足を地面につける。
ドアから一気に流れ込む生暖かい空気と、
むせかえる草の匂いに圧倒され、
軽い目眩がする。
そろそろと車外に出てみる。
雑草が生い茂る足元。
舗装されず、
砂利ですらない、
道なき場所。
周辺をぐるりと
どれだけ見渡しても、
人影や建物は見えない。
完全に思考停止…
今の私のことを言うのかも知れない。
いやいや…
停止してる場合じゃないよ。
落ち着いて。
考えなきゃ。
ここはどこ?
なんで私ここにいる?
とにかく家に帰らなきゃ。
そうだ!携帯!
カバンの中をごそごそして
慌てて形態を掴み見るも、
電池は充分ながら圏外のマーク。
アンテナは全くたっていない。
「…」
意味がわからない。
「圏外って何?」焦っても、
「意味わからん!」わめいても、
状況は数分前と何も変わらなかった。
どれほど考えても、意味などわからず、
どこにいるのかも把握できず
ただただ途方にくれるばかり。
目の前に道はなく、
信号も標識もなく、
どこまでも、
草むらが広がるだけだった。
答えがないまま日が暮れて、
時間だけが過ぎていった。
目的地のショッピングモール…だった。
だけど、
急に目の前が崩れた。
そう、
なんの前触れもなく、
目の前の景色が、
揺らいで、
歪んで、
割れて、
崩れた。
それから…
光が周囲を包み始めた。
私が生まれた時から今迄、
過去に出逢った人たちが、
周り360度に現れては消え、
縦に上下、
映画のエンドロールのように場面展開していく。
どの位時間がたったのか、
気がつくと周りは薄暗く、
草むらが広がる場所にいた。
目の前の光景が理解出来ず、
ぽかんと口を開けてたかも知れない。
「えっと…なに?…」
声がかすれてる。
「ここどこ?」
誰に聞いているのか、
もちろん答えなんかなくて…
エンジンはいつの間にか止まっていた。
ゆっくりシートベルトを外す。
運転席のドアを開けて、
恐る恐る足を地面につける。
ドアから一気に流れ込む生暖かい空気と、
むせかえる草の匂いに圧倒され、
軽い目眩がする。
そろそろと車外に出てみる。
雑草が生い茂る足元。
舗装されず、
砂利ですらない、
道なき場所。
周辺をぐるりと
どれだけ見渡しても、
人影や建物は見えない。
完全に思考停止…
今の私のことを言うのかも知れない。
いやいや…
停止してる場合じゃないよ。
落ち着いて。
考えなきゃ。
ここはどこ?
なんで私ここにいる?
とにかく家に帰らなきゃ。
そうだ!携帯!
カバンの中をごそごそして
慌てて形態を掴み見るも、
電池は充分ながら圏外のマーク。
アンテナは全くたっていない。
「…」
意味がわからない。
「圏外って何?」焦っても、
「意味わからん!」わめいても、
状況は数分前と何も変わらなかった。
どれほど考えても、意味などわからず、
どこにいるのかも把握できず
ただただ途方にくれるばかり。
目の前に道はなく、
信号も標識もなく、
どこまでも、
草むらが広がるだけだった。
答えがないまま日が暮れて、
時間だけが過ぎていった。