"鬼"上司と仮想現実の恋
「お待たせしました。」

私が出ていくと、部長は目を細めて言った。

「しっぽがある。
かわいいな。」

部長は私の髪を揺らして遊ぶ。
私は、恥ずかしくて、目を伏せた。

「朝ごはん、食べますよね?
ちょっと待ってくださいね。」

私はエプロンを着けて、冷蔵庫を開ける。

卵を取り出し、目玉焼きを焼きながら、レタスを洗ってトマトを切り、サラダを用意する。

パンをトーストして、コーヒーを入れる。

それを小さなローテーブルに並べて、私も座った。

「どうぞ。」

「ありがとう。
いただきます。」

2人で朝食を食べるのは、なんだかちょっと照れる。

いつも一緒にランチしてるのに、それとはなんだか違う雰囲気。

何もなかったけど、これも夜明けのコーヒー?
< 102 / 407 >

この作品をシェア

pagetop