"鬼"上司と仮想現実の恋
「うん。延長したい。」

私が言うと、部長はふんわり微笑んで、

「じゃあ、空室があるか聞いてこよう。」

と、目の前のホテルに向かって歩き出した。

ドキドキする。

空いてるのかな?

どうしよう?

部長は、フロントで尋ねた。

「予約はしてないんですが、今夜泊まれ
ますか?」

「本日は大変混雑しておりまして、
スイートルームのみのご案内となります。」

「構いません。」

「では、こちらがお部屋のタイプと料金で
ございます。
8階の方はすでに他のお客様がご利用
いただいておりますので、9階のどちらかの
お部屋になります。
こちらが、ツインのタイプで、こちらが
キングサイズのベッドのお部屋でございます。」

「こちらの1番いい部屋をお願いします。」

「え?」

驚いた私の声は誰にも届く事なく、

「かしこまりました。」

と手続きに入った。
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