"鬼"上司と仮想現実の恋
飲みに…
19時。

「瀬名、そろそろ上がれそうか?」

田中君が聞いて来た。

「うん。
お腹空いたから、続きは明日にする。」

私が答えると、

「お前、相変わらず、色気より食い気だな。」

と田中君にあきれられた。

「田中君相手に色気出してもしょうがない
でしょ?
さ、食べにいくよ!」

私は、机の上をさっと片付けると、席を立った。

「お先に失礼します。」

私が声をかけると、

「お疲れ〜」

と周りから声がかかる。

ただ、佐久間部長だけは、無言で一瞬視線をあげるとそのまままたパソコンに視線を戻した。
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