"鬼"上司と仮想現実の恋
「暁里。
部長じゃなくて、暁里の恋人として聞く。
田中に何か言われなかったか?」

「あの…

………………

田中君に好きって言われました。

付き合おうって。

なんて答えていいか分からなくて、まだ返事を
してません。」


「………

それから?」


「え?」


「それだけか?」


「あの…

………………


部長は、私を気に入ったから、私を連れて
歩くために営業にしたって。

SEの私を営業にするなんて、変だって。」


「………だから、俺を信じられないか?」


「………………

………………

もしかして、ほんとにそうだったら
どうしようって不安になりました。」


ふぅっ

部長はため息をついて、私の手を握った。

「暁里が営業向きだと思ったのは、本心だ。
理由も最初に説明したよな?」

「………はい。」
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