"鬼"上司と仮想現実の恋
席に戻ると、田中君が出勤していた。

「おはよう。」

私は出来るだけ、いつも通りに挨拶をした。

「おはよう。」

田中君も挨拶を返してくれる。

返事しなきゃ!

「田中君、今日、何時に上がれそう?」

私が聞くと、

「今日は契約が取れるから、いろいろ遅くなる
と思う。」

と少し堅い表情で答える。

「そうだったね。
じゃあ、お祝いしなきゃ!
桜たちも呼んで、パァっと騒ごうよ。」

こんなおめでたい日に断るのは申し訳ないから、今日はお祝いだけにしておこう。

「分かった。
ありがとう。」

そう言って、田中君は持っていく契約書類を確認していく。

私は、桜のところへ今夜の飲み会のお誘いに行った。
< 138 / 407 >

この作品をシェア

pagetop