"鬼"上司と仮想現実の恋
19時半。
私たちは、行きつけの居酒屋にいた。
「田中君、契約、おめでとう!!
乾杯!」
私がそう言うと、みんなでグラスを合わせてビールを飲んだ。
私の右に田中君、左に部長。
部長の左に上村さん。
部長の前に桜。
私の前に石原さん。
田中君の前に百合ちゃん。
まるで合コンのような男女交互の席に思わず笑ってしまった。
それにしても、上村さん、なんで部長の隣?
田中君と仲良くなりたくて来たんじゃないの?
その上、私のこの席、とても居心地が悪い。
上村さん、代わってくれないかな?