"鬼"上司と仮想現実の恋
今度は、上村さんが口を開いた。

「部長は、どんな女性が好みなんですか?」

彼女は、部長にお酌をしながら、また、距離を詰めている。

「それを聞いてどうする?」

部長は、あからさまに不機嫌だ。

「ただ、知りたいなぁ…と思っただけです。
いけませんか?」

「いけなくはないけど…
じゃあ、嫌いなタイプなら、教えてやるよ。」

「嫌いなタイプですか?」

「ああ。
まず、俺の中身を知りもしないで、ルックスや
肩書きだけで寄ってくるやつ。
次に、色仕掛けで迫ってくる、中身が空っぽの
奴。
そういう奴は嫌いだな。」

部長はそう言って、にやりと笑った。

き、キツイ…

それって、思いっきり、上村さんへの嫌味だよね?
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