"鬼"上司と仮想現実の恋
「イケメン御曹司のフィルターはかかってる
けどな。」

田中君は引かない。

「そんなの私だって、そうだよ。
ま、私はその上、"鬼"フィルターも
かけてるし?」

と私が笑うと、

「瀬名、本人に向かって、"鬼"はないだろ?」

部長が睨んだ。

そこで百合ちゃんが口を挟んだ。

「じゃあ、田中さんの好みのタイプは、
どんな女性ですか?」

みんなの視線が田中君に集まる。

「………

瀬名。」

「は?」

「だから、瀬名。」

「キャー、それって、愛の告白ですか?
暁里さん、羨ましすぎ〜」

桜が悲鳴をあげる。
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