"鬼"上司と仮想現実の恋
「じゃあ、百合ちゃんは?」

私が百合ちゃんに振ると、

「んー、私だけを見てるくれる人かな?」

と、はにかんだような笑顔を浮かべる。

「きゃー、百合ちゃん、かわいい〜。」

私は百合ちゃんのグラスにビールを注ぐ。

「じゃあ、瀬名さんの好みも教えて
くださいよ。」

石原さんが振ってきた。

「百合ちゃん!」

「は?」

田中君が素っ頓狂な声を出す。

「だ、か、ら、百合ちゃん!
めっちゃ、可愛くない?
もう、食べちゃいたい!」

「瀬名さん、そういう趣味だったんですか!?」

石原さんが驚いた顔をしている。

「石原、気にするな。
ただの酔っ払いの戯言だ。」

部長が苦笑しながら、言った。
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