"鬼"上司と仮想現実の恋
「酔ってませんよ〜。
部長、酷くないですか?
やっぱ、"鬼"ですね〜。」

私が笑うと、

「素面で、上司を"鬼"呼ばわりする奴がいるか。
お前は、営業だけど、接待は禁止だから、
覚えとけよ。」

と部長はさっきからずっと苦笑している。

「はーい。
禁酒中だから、行きませんよ〜。」

「え? 禁酒?
暁里さん、さっきから、ご機嫌でビール2本位
あけてますけど?。」

百合ちゃんが不思議そうに首を傾げる。

「ふふふ。
部長と一緒の時だけは、大丈夫なの〜。」

「え? なんでですか?」

身を乗り出して聞く上村さんの目が怖い。

「えっとぉ、私がお酒を飲むとぉ、すぐに
酔っ払って狼さんに食べられちゃうから、
飲んじゃダメなんです〜。
だけど、部長と一緒の時は、部長が狼さんから
守っておうちに送ってくれるから、飲んでも
大丈夫なんです〜。」
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