"鬼"上司と仮想現実の恋
「部長が狼になったら、どうすんだよ。」
田中君が不機嫌そうに言う。
「田中君、分かってないなぁ。
部長は、狼じゃなくて、"鬼"さんだから、
大丈夫なの。」
「瀬名、飲み過ぎ。
もうやめとけ。
悪い、こいつ、限界だから、連れて帰る。」
部長は、私の腕を掴んで、立った。
すると、田中君が私の反対の手を握る。
「酔った瀬名を送るのは、入社して以来、
俺の役目なんで、大丈夫です。」
田中君は、まっすぐ部長を見て、一歩も引かない。
「田中は、方向が反対だろ。
俺が送った方が効率がいい。」
「俺は!
反対方向でもずっと瀬名を送ってきたん
だから、気になりません。」
田中君は、私の手をぎゅっと握る。
私は、手を引っ込めたいのに、きつく握られていて、動かせない。
そこへ
「ええ!?
俺も瀬名さん、送りたいです〜。」
と呑気な声で石原さんが割り込んできた。
田中君が不機嫌そうに言う。
「田中君、分かってないなぁ。
部長は、狼じゃなくて、"鬼"さんだから、
大丈夫なの。」
「瀬名、飲み過ぎ。
もうやめとけ。
悪い、こいつ、限界だから、連れて帰る。」
部長は、私の腕を掴んで、立った。
すると、田中君が私の反対の手を握る。
「酔った瀬名を送るのは、入社して以来、
俺の役目なんで、大丈夫です。」
田中君は、まっすぐ部長を見て、一歩も引かない。
「田中は、方向が反対だろ。
俺が送った方が効率がいい。」
「俺は!
反対方向でもずっと瀬名を送ってきたん
だから、気になりません。」
田中君は、私の手をぎゅっと握る。
私は、手を引っ込めたいのに、きつく握られていて、動かせない。
そこへ
「ええ!?
俺も瀬名さん、送りたいです〜。」
と呑気な声で石原さんが割り込んできた。