"鬼"上司と仮想現実の恋
「はい。」

私は、部長がドアを開けてくれた助手席に乗り込んだ。

「あの、部長。」

「なんだ?」

「実は、今日、大量の洗濯物と布団を干して
ありまして…
できれば、夕方までに帰りたいんですが…」

「ん、分かった。
とりあえず、昼は、何食べたい?」

「特にないので、スーパーの食材を見て
決めようと思ってたんです。
部長は、何食べたいですか?」

「スーパーって、そういう事だったのか。
じゃあ、暁里の手料理が食べたい。」

「え?」

「ダメか?」

「いいですけど、そんな大した物は
できませんよ?」

「いいよ。
暁里が作ってくれるだけで、嬉しいんだから。」
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