"鬼"上司と仮想現実の恋
部長は、綺麗に整えたばかりのベッドに腰掛けて、握った私の手を引く。

私が部長の隣に腰掛けると、

「暁里…」

と囁いて、部長の唇が私のそれに触れた。

「部長…」

私は恥ずかしくて、でも、部長に触れたくて、部長の腕に掴まって顔が見えないように肩に頭を預けた。

「暁里…

そろそろ部長はやめない?」

部長が囁くように言った。

「え?
あ、でも、なんて…」

「悠貴。
悠貴って、名前で呼んで。」

「悠貴さん?」

「ん、暁里、愛してる…」

悠貴さんは、私の肩を抱いてまた口づける。

啄ばむように優しく、何度も。

悠貴さんは、私のうなじに手を添えて、そのままベッドに横たえた。
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