"鬼"上司と仮想現実の恋
私が悠貴さんの部屋に来るのは、これで2度目。

女子会の後、酔い潰れた私を泊めてくれて以来だ。

「どうぞ。」

と言われて、

「…お邪魔します。」

と玄関を入り、靴を脱ぐ。

アースカラーで統一された落ち着いた部屋。

ブラウン系の家具にモスグリーンのカーテンがいいアクセントになっている。


「何、飲む?
って言っても、コーヒーか紅茶しかないん
だけど…」

「じゃあ、紅茶で。
っていうか、やりますよ?」

「ほんと?
じゃあ、ティーポットとお茶っ葉と茶こしと
カップとソーサーとスプーンと砂糖と…」

悠貴さんが、必要な物を全部出してくれる。

「ふふっ
もうお湯を入れるくらいしかやる事
ありませんけど?」

私は笑った。
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