"鬼"上司と仮想現実の恋
「ううん、何もないよ。
気づいたら、家で寝てたから、迷惑掛けた
かなぁ…と思って聞いただけ。
ありがとう。
部長にもお礼、言って来なきゃね。」

私は無理矢理笑顔を作って言った。

田中君は、納得してなさそうな顔をしていたが、私は気付かないふりをして席に戻った。

そっか…
部長かぁ…

あのワイシャツ、どういう事をなんだろう…

まさか、そういう事、しちゃった?

ワイシャツを脱ぐって、そういう事だよね?

私のスーツは床に脱ぎ捨ててあったし、キャミソールとか下着は着けてたけど、そんなのどうとでもなるもんね…

うわっ、サイアクかも…

部長になんて言おう…

っていうか、もう部長の顔、見られないよ…


私の頭の中は、いけない妄想がグルグルしていて、とても仕事になりそうになかった。

< 20 / 407 >

この作品をシェア

pagetop