"鬼"上司と仮想現実の恋
コーヒーを飲みながら、悠貴さんは聞いた。

「暁里、この後、行きたい所とかある?」

「んー、別にありませんよ。
悠貴さんも疲れたでしょ?
家でのんびりしませんか?」

「俺は、暁里さえいてくれれば、いつでも
フル充電だから、大丈夫だぞ?」

「ふふっ
じゃあ、悠貴さんは、どこか行きたい所、
あるんですか?」

私がそう言うと、悠貴さんはしばらく考えた後、

くすっ

悠貴さんにいたずらっ子のような笑みが浮かんだ。

この笑い方をする時は、危険だ…という事が最近、分かるようになってきた。

「悠貴さん、却下です。」

私は、言われる前に、牽制した。

「ええ!?
まだ何も言ってないけど?」

「なんとなく、聞いてはいけないという事は、
分かります。
却下です。」
< 231 / 407 >

この作品をシェア

pagetop