"鬼"上司と仮想現実の恋
「あれは、だって、私はお酒に弱いから、
他の男と飲みに行くなって、田中君が…」

「そんなの、田中さんの策略に決まってる
じゃないですか。
っていうか、暁里さん、田中さんの気持ちには
気付いたんですよね?」

「田中君には、言われたから…」

「え!? いつ?」

「んー、部長と付き合い始めた直後?」

「田中さん、暁里さんが離れてくのが
分かって、焦ったんでしょうね〜
それまでずっと暁里さんを守り続けてたのに、
暁里さんには全然気付いてももらえなくて、
それでも暁里さんの1番近くにいる自負は
あったのに、突然現れた部長にあっという間に
持っていかれて、かわいそすぎです。」

今、私、責められてる?
ディスられてる?

「まぁ、暁里さんの結婚が決まれば、何人かの
男性達が諦めて私たちの方を向いてくれる
かもしれないから、楽しみにしようね〜」

と桜は百合ちゃんに同意を求める。

百合ちゃんは、恥ずかしそうに頬を染めて、

「うん。」

とかわいく頷く。
< 251 / 407 >

この作品をシェア

pagetop