"鬼"上司と仮想現実の恋
「運命の人?」

悠貴さんは、一瞬、怪訝そうな顔をした後、

「ああ、SNSの事?」

と言った。

「そうです!
見知らぬ人に恋をして、それとは別の人に
恋をしたと思ったら、その2人が同一人物
だったなんて、運命としか思えませんよ!」

桜が興奮して、まくし立てる。

「ま、俺も暁里がちょこさんだって分かった
時には、運命だと思ったけどね。」

と悠貴さんは、私を見て微笑む。

ダメ!
悠貴さんにそうやって見つめられると、私のきゅんきゅんが止まらなくなる。

「うわっ!
あっという間に2人の世界を作らないで
くださいよ〜。
側にいる私たちが照れるじゃないですか。」

苦情を言う桜と、それに同調してこくこくと頷く百合ちゃん。

「いや、そんな事は…」

焦る私とは対照的に、悠貴さんは、

「悪いな。
仕事中、抑えてるから、仕事が終わると
抑えられなくてな。」

と平然と言って笑う。
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