"鬼"上司と仮想現実の恋
エレベーターが9階に止まり、社長室へ向かう。


コンコン…

悠貴さんが、ノックをする。

「はい。」

女性の声がして、ドアが開けられる。

「悠貴です。
瀬名暁里さんを連れて参りました。」

悠貴さんが告げると、

「どうぞ。」

と中に通された。

女性は、一礼して社長室を後にする。

社長は、自分のデスクから立ち上がって、ソファーの方へ来た。

「どうぞ、お掛けください。」

そう声を掛けて、自身もソファーに座った。

私は、悠貴さんに促されて悠貴さんの隣に座る。

「瀬名暁里さんだね?」

社長に尋ねられて、背筋が伸びる。

「はい。」

私が返事をすると、悠貴さんが口を開いた。

「仕事中に会社で呼び出す必要は
ないだろ!?」
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