"鬼"上司と仮想現実の恋
「会社で呼び出して、何が悪い。
現社長が次期社長にと考えてる男が結婚する
って聞いたら、次期社長夫人を確認したいと
思うのは当然だろ?」

「そういう屁理屈が多いから、母さんに愛想
尽かされたんだろ?」

「!
うるさい!
愛(あい)ちゃんは、愛想を尽かしたんじゃ
ない。
きっとそのうち帰ってきてくれる。」

あれ?
離婚したって聞いてたけど、社長はまだ元奥さんの事が好きなの?

「はぁ………
母さんにその気はないから、いい加減
諦めたら?」

「いや、俺はさっさと社長を引退して、
愛ちゃんと岐阜で暮らすんだ。
あとは悠貴、頼んだぞ!」

「は!?
やだよ!
俺は管理職より、現場の方が好きなんだ。
これ以上の出世はさせないでくれよ。」

「それは、愛ちゃん次第かな。
愛ちゃんが帰ってきてくれるなら、
引退なんて考えないんだけど。」

「そうやって、俺に母さんを説得させようと
するなよ。
2人の問題は2人で解決してくれ。」
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