"鬼"上司と仮想現実の恋
「え、それは…
なんと言えばいいのか…」

私が答えに困ってると、

「暁里は、俺の運命の人だよ。
それ以上でもそれ以下でもない。」

と悠貴さんが言った。

「悠貴にこんな事を言わせるなんて、
すごいな。
悠貴が転勤してきて、まだ3ヶ月も経って
ないだろ?」

あ、もしかして交際期間が短いから心配してる?

「暁里とは、もう2年くらい前からの知り合い
だよ。
お互い、顔も名前も肩書きも知らない状態で
知り合って、それでも惹かれ合って、今回の
転勤で偶然出会ったんだ。
だから、心配する事なんてない。
俺の心配する暇があったら、自分の事を心配
しろよ。
離婚したくせに、何十年も未練タラタラ
なんて、情けないだろ?」

悠貴さんがそう言うと、

「大事な息子の心配をして何が悪い。」

と社長も引かない。
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