"鬼"上司と仮想現実の恋
私はテーブルに頭が付きそうな位、頭を下げて謝った。

「お前、あれは襲われても文句言えないぞ。
大人なんだから、もうちょっと飲み方を
考えろ。」

部長は呆れ顔だった。

「本当に申し訳ありません。
でも、私は田中君といる時しか飲まないので、
大丈夫です。」

「ほう、田中になら襲われてもいいと?」

「っ!!
違います。
田中君は、絶対そういう事はしないので、
大丈夫なんです。」

「なんで?」

「へ?」

「なんで田中はお前を襲わないと思ってる?」

「同期で、いい友人ですから。」

「お前、バカ?」

「は?」

「田中は、お前を女として見てるよ。
あいつがお前に手を出さないのは、体だけが
欲しいわけじゃないからだ。
お前の心がどうやっても手に入らないと
分かったら、体だけでも欲しいと思った瞬間に
襲ってくるぞ。」
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