"鬼"上司と仮想現実の恋
・:*:・:・:・:*:・

その後、母はお寿司を取ってくれて、みんなで食べた。

「東京はいいなぁ。
お姉ちゃんでも、こんなかっこいい人と
付き合えるんでしょ?」

相変わらず、旭は失礼だ。

「旭ちゃん、2つ間違ってるよ。
暁里は、東京にいる誰よりも綺麗で素敵な
人だよ。
それにね、たまたま俺たちは東京で出会った
けど、俺も岐阜出身なんだ。
今年の6月まで、岐阜から名古屋に通勤
してたんだよ。
もしかしたら、旭ちゃんともどこかで
すれ違ってたかもしれない。」

「えぇ!? そうなの?
だったら、お姉ちゃんより先に
出会いたかった〜。」

旭が本気で悔しそうなのがムカつく。

「残念。
もし出会ってても旭ちゃんとは運命で
結ばれてないから、やっぱり暁里と一緒に
なってたと思うよ。」

悠貴さんが、さらりと言う。

「何? お姉ちゃんとは運命で結ばれてる
って事?」

旭が興味深々で身を乗り出した。
< 280 / 407 >

この作品をシェア

pagetop