"鬼"上司と仮想現実の恋
「そうだよ。」

「キャー、そんなセリフ言われてみたい。」

旭がうるさい。

「なんでお姉ちゃんが運命の人だと思ったん
ですか?」

晴が聞いた。

「暁里、言っていい?」

悠貴さんが私に確認する。
私はこくんと頷いた。

「俺と暁里は2年位前からの知り合いなんだ。」

「え?」

晴も旭も驚いた顔をする。

「あるゲームの中のSNSで知り合って、
毎日のようにコメントをやり取りして、
お互いに会った事も見た事もないのに、
好きになった。
それが、俺の転勤で偶然同じ部署になって、
現実でも好きになった。
俺は出会ってすぐに気づいたけど、暁里は
俺がプロポーズするまで自分が好きになった
2人が同一人物だって知らないまま好きに
なってくれたんだ。
運命としか思えないよ。」

悠貴さんが穏やかに微笑んで私を見つめる。

あ、ダメだ。
またきゅんきゅんする。
私はいつまで、こんなにきゅんきゅんするんだろう?
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