"鬼"上司と仮想現実の恋
ふぅ………

私はひとつ深呼吸をする。

「ふふっ
暁里、緊張してる?」

悠貴さんが私の顔を覗き込む。

「そりゃ、するよ。
社長に呼び出された時より、緊張してるよ。」

私が言うと、

「大丈夫。
暁里は、いつもの暁里でいるのが、1番
素敵だから、リラックスして。」

と肩を抱き寄せてくれた。

だけど、この状況でリラックスなんて、絶対ムリ!!

「じゃ、行くよ?」

悠貴さんは、そう私に声を掛けて、玄関のチャイムを押す。

ガチャッ

玄関のドアが開いて、綺麗な女の人が現れた。

「悠貴、おかえり。
暁里さんよね?
はじめまして。
悠貴の母です。
どうぞ。」

!?

お母さん???

どう見ても40過ぎにしか見えないんだけど!!!
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