"鬼"上司と仮想現実の恋
「別に面食いなわけじゃないよ。
たまたま暁里が美人だっただけ。」

2人から容姿を褒められて、なんだか恥ずかしくて居心地が悪い。

「私は、そんなに褒めていただける程、
綺麗なわけじゃありませんから…」

私が言うと、

「あら、暁里さんは、すっごく綺麗よ。
言われるでしょ?」

とお母さんに返されて、さらに恥ずかしい。

「暁里は、あんまり自覚ないんだよ。
多分、褒め言葉は全部お世辞だと思ってるん
じゃない?」

悠貴さんに言われて、はっとする。

「お世辞…でしょ?
子供の頃から、かわいいって言葉は、みんな
妹たちに向けられてましたから。
私はいつもその後のつけ足しのお世辞でしか
褒められた事はありませんでしたし。」

私が言うと、

「ああ!!
だからかぁ!」

と悠貴さんが納得したように言う。
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