"鬼"上司と仮想現実の恋
「それは、男なら当たり前だろ。」

悠貴さんはぼそっと言う。

「当たり前じゃありませんよ〜。
私の彼氏、私が女子会なのをいい事に合コン
行ってましたもん。」

と旭が笑いながら言う。

「罰としてバッグを買ってもらったから
いいんですけど。」

あまりにもあっけらかんと言うので、

「旭ちゃんは強いなぁ。」

と社長に笑われてしまった。


食事会はそのまま和やかに終了した。

結婚へ向けて、1つ目のハードルを越えた感じがする。


私は、お店の空いているお部屋を借りて、振袖からシンプルなネイビーのワンピースに着替えた。

振袖は母に持って帰ってもらう。


両親には、このまま東京に帰ると言ったが、私は今夜は名古屋のホテルに悠貴さんと泊まる予定になっている。
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