"鬼"上司と仮想現実の恋
悠貴さんが言うには、

「父さんが、母さんの所に泊まりたそう
だったから、俺は邪魔だろ?」

という事らしい。


私達は、ホテルにチェックインして、一息ついた。

「はぁ…
ひとつ終わったな。」

悠貴さんがベッドに腰掛け、私の肩を抱いて言った。

「うん。
悠貴さん、疲れたでしょ?
昨日はうちのお父さんにいじめられたし。」

私が言うと、

「全然。
あれくらい、想定内だよ。
こんなかわいい娘をどこの誰とも分かんない
奴に取られるんだぞ。
すんなり『どうぞ』とは言えないだろ。」

悠貴さんは、笑った。

「悠貴さんのお母さん、めっちゃ綺麗だね。
びっくりしちゃった。」

「そうか?」
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