"鬼"上司と仮想現実の恋
「そうだよ。
悠貴さんは、お母さん似なんだね。」

「それは、子供の頃からよく言われた。」

「社長が束縛したくなるのも分かる気が
するなぁ。」

「え?」

「だって、あんなに綺麗な奥さんだったら、
ナンパされてないかなって、心配になる
じゃない。」

「暁里。
それは、そのまま、俺の気持ちだから。」

「え?」

「暁里が飲みに行くと、いつも、ナンパ
されてるんじゃないかって心配してる。」

「私は、されないよ〜。
された事ないもん。」

「それは、されないように守られてたからだ。」

「へ?」

「俺が来るまで、暁里は田中としか飲みに
行かなかっただろ?
ずっと、田中に守られてたんだよ。
じゃなきゃ、毎回のように誘われてたはず
だよ。」
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