"鬼"上司と仮想現実の恋
「まさかぁ。」

「現に、石原は初対面で口説いてただろ。」

「あれは、社交辞令ですよ。」

「はぁ…
相変わらず、暁里は自己評価、低すぎ。
まぁ、いいや。
これからは、俺が一生、暁里を守るから。
それこそ、同窓会にもついて行くかもな。」

「ふふっ
いいですよ。
悠貴さんは、私の自慢の旦那様ですから。
でも、悠貴さんこそ、逆ナンされて来ないで
くださいね。
もし、されても、"鬼"のようにきっちり
断ってくるんですよ。」

私が言うと、悠貴さんは肩を抱く手に力を込めた。

「暁里、かわいすぎ。
さっきの着物も、ほんとは俺が
脱がせたかったのに。」

そう言うと、私が返事をする前に、優しいキスが降ってきた。

悠貴さんの手が私の体の輪郭をなぞるように滑る。

私は徐々に深くなる口づけに酔いしれながら、背中を滑り降りるジッパーを感じていた。

まだ、夕食前なのに…
シャワーも浴びてないのに…

頭では分かっているのに、抗えない。

これは、悠貴さんの魔法なの?
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