"鬼"上司と仮想現実の恋
「でも、暁里さん、目標まであとちょっと
ですよね?」

百合ちゃんが言う。

「そうだよ。
あと1本、取れれば、超えるだろ?」

田中君もそう言ってくれる。

「でも、あと3日だよ?
年末に数百万とか数千万の契約をしてくれる
所なんて、ないでしょ?」

そう、私は高額な目標に心折れそうだったのだ。

「部長は?
なんかアドバイスとかもらってないの?」

と田中君。

「全然。
プライベートでは、ほとんど仕事の話は
しないもん。」

「そうなんですか?
あんなにラブラブなのに?」

と桜。

「んー、聞けば答えてくれるけど、休みの日に
仕事の愚痴とか言いたくないじゃない?
それこそ、ラブラブな空気、ぶち壊しでしょ?」
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