"鬼"上司と仮想現実の恋
「いや、 今、1番仕事増やしてるのは、田中
だから。」

主任が指摘する。

「じゃあ、SE増やしてもらいましょ?
今度は、男漁りも女漁りもしないSE限定で。」

私は言った。

「難しいなぁ。
短時間の面接でそれ、見抜けるか?」

主任が言う。

「分かった!
みんなが恋人を作っちゃえばいいんですよ。
田中君が百合ちゃんと付き合って、主任が
桜と付き合って。
そしたら、上村さんも諦めるじゃないですか!」

我ながら、名案だと思う。

「お前なぁ。
自分が幸せだからって、それを人に
押し付けるな。」

田中君が呆れたように言う。

「ええ? ダメ?
名案だと思ったんだけどなぁ。」

「それ、大前提として、加藤さんが
長谷部主任を好きになって、富田さんが俺を
好きにならなきゃ無理なんだぞ?」
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