"鬼"上司と仮想現実の恋
「もし、暁里がやりたいって言うなら、
家から出て、菓子まきとかしてもいいよ。」

「え！？
さすがにそれは考えてなかった。
そう言えば、子供の頃はお嫁さんイコール
お菓子だったなぁ。
お嫁さんのイメージもドレスじゃなくて、
打掛だったし。」

私の故郷では、新婦は家で白無垢を着て仏壇に手を合わせて、迎えに来た新郎と共に縁側から家を出る。
それを庭先から沿道にかけて、近所の人が集まり見送ってくれる。
新郎新婦が迎えの車に乗ると、見に来てくれた人に親族がお菓子を配るのだ。

そして、新婦を乗せた車は新郎の家に行き、色打掛に着替えて、仏壇に手を合わせる。
また縁側から出て、新郎新婦は車で式場に向かう。
その時、また集まってくれた近所の人に親族がお菓子を配る。

子供たちは、お菓子を目当てにお嫁さんを見に行き、お嫁さんに憧れるのだ。

だから、私より上の世代のお嫁さん像は、和装のお嫁さん。

最近は家から出る人が少なくなったから、ドラマなどで見るウェデングドレスのお嫁さんをイメージする子供も多くなったらしい。
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